東京・仙台行ってきたよ記(前編)
多分に今更ですが、19日〜22日にかけて、東京・仙台へ行ってまいりましたので、その記録。
続きを読む個独の時代のハリネズミはどのように生きるべきか
「人格」と「偶然・自由意志」
我々の人格は、どの程度が「偶然」によって形成され、どの程度が「自由意志」によって形成されるのか。
自分の親さえ選べない我々が、複雑系な我々の人格が、果てない因果律の世界に迷い込んだとき、我々の自由意志は、「我々」をどの程度決定することができるのか。
自由意志のあずかり知らぬ場所で決定された我々の人格とその形成過程を、我々はどの程度理解できるのか。ましてや他人の人格など、理解できるものなのか。それがどのように形成されたかなど、他人に知る由があるのか。
個々人間の絶望的なまでの差異
人々は「孤独」ではなくとも「個独」なのではないか。
「オンリーワン」は、分かり合えない個独の叫びなのではないか。
今までは、世間に存在する一定程度の「型」と、同じコミュニティで生きていかなければならないことからの「妥協」が、「個独」の問題を解決してきた。
ネットが登場し、色々な「型」に目覚め、「妥協」しなくても同じタイプの人間がつながりあえるようになった。
結果として、コミュニケーションは、「理解し合えるもの同士」が前提になり、一部の人は、理解できない他人を、「奴らは異常だから」「奴らは馬鹿だから」と、自己中心的にカテゴライズしたり、人格攻撃までするようになった。
彼らの「努力すれば分かりあえる」という前提は、「分かり合えない場合は、一方が異常」という結論を招いた。
「そもそも完全には分かり合えない」という前提を持てば、「差異がある事を認めた上での対応」ができたはずだった。「無視する」とか、「歩み寄る」とか、「住み分ける」とか。
だから、
もう少し、「理解不能な他者に対する配慮」というものがあっていいと思うのです。
「(自己中なカテゴライズやdisりを)見たくないなら見るな」と言う以前に、「他人をdisる結果になるなら最初から見ない、見ても反応しない」とか、そういう心がけをしたほうが、世界は幸せになるのではないかと、そう思うのです。
オバマに学ぶ世界最高のコミュニケーション術〜『Say it like Obama』
『Say it Like Obama: The Power of Speaking with Purpose and Vision』
雨後のタケノコの如く色々な種類が登場している「オバマ演説」シリーズこそあるものの、「オバマのような天才的コミュニケーション能力を身につけるにはどうしたらいいか」ということについて語った本は、それほど多くない。
本書は、『オバマ演説集』ではなく『オバマ演説法』の本である。タイトルの『Say it like Obama』からも分かるように、間違いなく世界最強のコミュニケーターの一人であるオバマのように喋る(Speak like Obama)だけでなく、具体的な事案において「言いたい事をオバマのように伝える(Say it like Obama)」にはどうしたらよいかを、豊富な資料とそれに基づく解説で示した一冊である。ハッキリ言って、ネットで手に入るデータを適当につなぎ合わせただけのボッタクリ商品とは格が違う。
本書に書いてあることを日本人でも応用できるようにまとめなおすと、以下のようになるかと思う。
彼のコミュニケーション術は、「I」と「You」と「We」からなる。つまりは、「I=セルフブランディング」と「You=聴衆の引き付け」、そして「We=一体化」だ。
「非所有化」の流れと法律についての一考察
「カーシェアリング」にしろ「クラウドコンピューティング」にしろ、「普段は所有せず、必要なときだけ利用する」というライフスタイルが云々、という意見を良く見て、そういう記事は通常、「それにあわせて法律や制度なんかも変えなきゃいけないよね」というような結論で終わるので、じゃあどう変わるのか、どう変えるべきか、そもそも帰るべきなのか等について考えてみる。
続きを読む『片眼の猿 One‐eyed monkeys』〜よいミステリと悪いミステリ
『片眼の猿 One‐eyed monkeys』
まず断言してしまいます。
どれだけ眉に唾を付けて読んでいただいても、著者の企みを
100パーセント見抜くのは不可能でしょう。(オビより)
ミステリとしてこんなオビをつけていいのかと思ったのだが、まあ「見抜くのは100パーセント不可能」なわけでもないし、あまりのインパクトに惹かれて買ってしまった。
同じ作者の『鬼の跫音』が面白かったから、というのもあるのだが。
そして、騙された。やられた。
詳しく書くとネタバレになるし、詳しく書かなくても、この繊細な作りの小説の中身に触れるということはそれだけでネタバレ覚悟の所業なのであるので、あえてここは「著者の企みを100パーセント見抜くのは不可能でしょう」というオビの文句を復唱しておく。
本書の内容は(意図的に)さておき、本書の「つくり」というか「構造」というか「法則性」というかに「よいミステリ*1とは何か」を考えさせられたので、ひとつ。
(ちなみに、以下に映画映画『ナンバー23』『サイン』のネタバレがあります。『片眼の猿』のネタバレはありません。)
*1:そういえば、「ミステリー」と「ミステリ」は使い分けるべき、という話も聞いたことがあるけど、私初心者なので、タイプ数が少ない「ミステリ」使ってます。よろしく。
プロフィールに「尊敬する人」を書くべきでない3つの理由
プロフィールに「尊敬する人」欄を作るという行為が全く理解できない。
というわけでもないけれど、プロフィールの「尊敬する人」欄というのは、以下の理由により、情報としての価値が低い。また、それらは、後述の誤ったメッセージを読み手に伝えることがあるという危険性から、私は滅多に「尊敬する人」という用語を使わない。