『できそこないの男たち』ほか
就職活動する気もないのに、エ○ジャパンに登録してプロフィールをいじってる私がきましたよ。
てなわけで今週のn冊。
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/10/20
- メディア: 新書
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単に「男」たる存在の起源を簡単に叙述するのみなら、新書でも300ページを費やす必要はなかったはずであるが、この本の素晴らしいところは、その結論に至る過程やそこで生じたドラマ、そこから生じる薀蓄*1を、魅力的な登場人物と語り口で紹介しているところにある。例えば、顕微鏡の発明者レーウェンフック、世界の遺伝子の歴史を変えたチンギス・ハーン、イラン王室の流れを汲む科学者ヴィジャク・マダービなど。
これらのドラマの中で最も私の印象に残ったのは、結論を急ぐあまり間違った答えに到達してしまった科学者デイビッド・ペイジのストーリーである。彼がどのような問題に対しどのような間違いを犯したのかはここでは割愛するが、著者は、結果として敗者となってしまった彼に対し、アムンゼンとスコットの例を挙げて彼自身の功績をたたえたあと、「ペイジはその後も、そして今でもチャールズ川沿いのMITにある研究室でY染色体についての研究を進めている。」と記している。同じ科学者として、研究に身をささげる者への深い尊敬の念とやさしい眼差しが、確かに感じられる一文であった。
私は一応、いわゆる文系畑の人間だが、どんな生粋の文系人にもお勧めできる本だと思う。
- 作者: 竹中平蔵
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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この本の帯には、「1の努力で10の成果」と書いてあるが、これは釣りである。もし竹中平蔵に、「結局、勉強で一番大事なことはなんなんですか。」と聞けば、彼は「1に努力、2に努力、3・4がなくて、5に目標」と答えるに違いない。それくら竹中式勉強法の中核は努力なのである。
ではなぜ、オビに「1の努力で10の成果」と書いたのか。先ほども触れたが、これは釣りであり、楽して成果を上げようとする輩をいましめようと、彼が打った作戦に違いない。しかしまあ、実際こういうので釣られて現実を知るべき人も多い気はする。
あと、彼の元上司たる小泉さんがかなり褒められている。なんだかんだ社会問題を小泉政権の責任にされて、彼らも色々と大変なのだろう。
- 作者: 清水かつぞー
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 2002/06
- メディア: 単行本
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しかしさすが金メダルコースと言うべきか、TOEFL100点ホルダーでも半分以上間違えたか分からなかった。ただし、日→英でスコアを出していたり、ケアレススペルミスだったり、そもそも日本語訳が微妙だったりすることもあるので、確かなスコアとはいい難い。それでも全般的な難易度は高く、それこそTOELFで90点、100点クラスの単語もありそうである。言い換えれば、東大クラスの大学でも必要としない単語たちである*2。