『英語で意見を理論的に述べる技術とトレーニング』〜The Best Way to Enrich Contents


英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング

最近、あなたが英語が話せないのはコンテンツがないからだという旨のエントリを上げたが、まさにその不足しているコンテンツを打ち立てるためのテキストがこちら。
ただ、はっきり言って*1激しくつまらない本である。激しくつまらないが、完全に自分のものにできたら、TOEFLや英検1級2次試験でのハイスコア(あるいは合格)は保証されたようなものだろう、というぐらい濃ゆい本でもある。*2
ただ、やはりこの本が「つまらない」を通り越して「激しくつまらない」のには理由があり、それは第一にこの本が「アーギュメント本」であるということと、第二に「ケーススタディ本」であることから来ている。

「アーギュメント本」であるということ

そもそも、argumentについて学ぶ、ということは、あなたの意見は関係なく、それよりいかに説得的に話せるかが問題となる、ということである。もちろん、実際のargueだとかargumentにそのような意味が無くとも、この本の対象たる英検1級やTOEFLGRE(あるいは英国法学部入学試験でも同じことが言われていた)などのテストにおける「選ぶべきargumentの立場」というのは、あなたの立場、ではない。それは点数が取りやすい立場である。時には立場さえ所与のものである場合もあろう。そのような自分の意思とは無関係の立場に立ち、理路整然と意見を述べていくのがこの本流のargumentの勉強であり、かつ、この分野では最も効率的な勉強方法だったりするのである*3

ケーススタディ本」であるということ

さらに、この本では「ケーススタディ」によってあなたのアーギュメント能力が鍛えられる。すなわち、「理論的思考能力」とかいうどのお題にも対応できる(雲の上の)能力を鍛えるのではなく、とにかくトピックごとに、有り得る理論を覚え使えるようにしていくのがこの本のスタンスである。それは、この本の構成を見れば一目瞭然。この本のページ内訳は、理論性を鍛えるページが約30ページ、ケーススタディが約200ページ、その他がキー表現集なのである。
これが自分の興味のある分野ならまだ楽しいかもしれないし、前のエントリもそういう分野を前提にして書いたのだが、自分に興味の無い分野でもコンテンツを作っていかなければいけないのが受験勉強の悲しいところなのである。まあたまにはこういう薀蓄集めが好きな方もいらっしゃるのではあるけれど。
タイトルには「理論的に述べる」とついているが、論理的になるのは結果の話であって、そこに至る過程はあくまでケース・バイ・ケースのケーススタディだったりするのだ。

結論

良薬は口に苦い。

*1:変換したら「イって」って出た。なんでだ。

*2:そもそもこういう資格試験の勉強が激しく面白いかといったら、人生そんなに甘くない。

*3:だから、このエントリのタイトルはenrich "your" contentsではないわけだ。だからといって"the contents"というのは憚られたわけだけども。