『ローマ亡き後の地中海世界(上) 』ほか


待ってました。『ローマ人の物語』後日談。塩野七生がおくる、地中海世界の「その後」。
相変わらず読ませる文章は健在だけど、惜しむらくは「イイオトコ」が出てこないこと。これは塩野氏の問題というより中世という時代の悲しいところなのかもしれないが、しかし『ハンニバル戦記』のハンニバルスキピオ・アフリカヌス、タイトルロールを張った『ユリウス・カエサル』や『パクス・ロマーナ』のアウグストゥスが懐かしい。どこかのインタビューで、「(ローマ人の物語の後に)また『イイオトコ』を見つけたから、それ書いてから死にます」(大意)と言うことを仰っていたので、その男を待ちたい。


マスコミ、政界、学会の「判断力低下」に鋭い批判を加えた一冊。上記三者を批判・改善しようとする人にオススメの一冊。
私は経済には詳しくないので、著者の主張する「法人資本主義」というのがどれほどの信憑性を持つものなのかという点についての判断は控えるが、本書で提示されている「判断力」についての一般論は、多分に参考になる。ただ、2紙購読している私でも、新聞の切抜きを作る気はなかなか起こらず。


沢山ある「読書術本」の中でも、もっとも簡単に実践できる方法を紹介。この方法、amazonの紹介ページに載っている以上のことではないが、これから読書の習慣を始めたいという人には、最善の読書術じゃないだろうか。テクニカルな読書術はもう飽きた、という人にもオススメ。著者の推薦図書も沢山載っているので、資料的価値もある。ただ、内容の深さはイマイチ。